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200w REVIEW '11 『ニューイヤーズ・イブ』

ボールドロップが途中で止まった苦し紛れのクレアのメッセージ 「大晦日にこの1年を振り返る時」は、 震災後の日本への言及にも思え、感慨深いが、 オールスターキャスト共演のエピソード集は テレビドラマ的な定番、かつ散発的だ。 セレブの恋の苦悩は他人事の一方、 庶民は赤ちゃんの早生まれを競う退屈さ。 目的のパーティ券が時間切れで…
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200w REVIEW '11 『ハンター』

サスペンス映画さながらスリリングに幕を開ける物語は、 入念に罠を仕掛け、動物の痕跡を辿って 自然界に身を潜める密猟者マーティンの繊細な仕事ぶりを丹念に追う。 バスタブに浸かり、オペラを聴くのが唯一の安らぎの彼にとって、 電気もなくお湯も沸かない、 子供たちが不躾にまとわりつくアームストロング家は悪夢だが、 発電機を直し、“ザ…
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200w REVIEW '11 『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

足が竦む超高層ビルを這いあがるイーサンの傍で、 役立たずの電磁グローブが風に舞い、 ミッションを命じるモスクワの公衆電話は 予告通りに爆破されない。 そんなコミック的苦笑が、監督のバードらしさだ。 強風避けのゴーグルはスーツには不似あいだが、 砂嵐では役に立つ。 クレムリン護衛の視線の焦点によって変化する映像装置や、 眼…
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200w REVIEW '11 『きみはペット』

ローザンヌで賞を獲ったバレエダンサーが、 ホップスター的なミュージカル出演とは首を傾げる。 その転身に必然性は乏しく、 むしろ仲間と切磋琢磨するダンサー志願のほうが収まりはいい。 同様にファッション誌編集部でのウニの意欲が掴めないから、 彼女が仕事と恋の両立に悩み、 イノとウソンの間で揺れる理由もピンとこない。 ならば、キ…
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200w REVIEW '11 『タイム』

限られた生命の時が分かれば、 人はそれを大切に生きるだろうか。 しかし、他人から奪えるなら、 世の中は手をこまねいて「0」を待たない強欲な人々によって、 映画のような秩序は保たれないはずだ。 いや、ウィルとシルヴィアの未来版ボニー&クライドならずとも、 隔絶された貧富の差に反乱を起こすに違いない。 時の移動を監視するレオン…
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200w REVIEW '11 『ペントハウス』

屋上プールに映り込む100ドル紙幣とはあざといが、 チンピラのスライドが使用人の“泥棒の師匠”となり、 検察が容疑者を保護することになるクレアの泥酔と、 立場の逆転が喜劇の小気味良さに加速度を増す。 エレヴェータシャフトから屋上へフェラーリをどう運んだのか、 スライドが容疑者から漏れたのはなぜかの疑問も、 最上階のフェラーリ…
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200w REVIEW '11 『ロンドン・ブルバード』

刑務所から出所したミッチェルを迎える ビリーの荒んだ醜態とは対照的な彼の清々しさに、 その名を聞けば誰もが畏怖する チンピラの世界とは相容れないと判る。 疫病神のビリーを切り捨てられず、 悪態をつかれてもブライオニーの世話を焼く彼は、 あえて破滅の道を歩むかのようだ。 ジョーの復讐を果たすべく、一度は後頭部に銃口を向けた …
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200w REVIEW '11 『ルルドの泉で』

ひたすら奇蹟を希む者を、同じ巡礼者が嘲笑う。 全身麻痺の娘が「ママ」と呼ぶ奇蹟に、 「なぜ私なのと怒りが」と告解するクリスティーヌが向ける眼差しは嫉妬だ。 しかし、車椅子から立ちあがり、 「仕事も結婚もしたい」と希望に沸く彼女を苛むのも同じ他者の悪意であり、 待ち望んだクノとのダンスでの転倒に痛感する人の冷酷さに、 彼女は奇…
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200w REVIEW '11 『痛み』

ナムスンの顔のアップで始まる映画は、 数分後、傷だらけになった彼の顔を再びとらえる。 その瞬間、“殴られ屋”のどん底の生活に幸福はないと直感する。 殴打による昏倒の際にナムスンがドンヒョンに重ね見たのは、 今は亡き最愛の姉の面影だ。 それにしても、横転した車中から 少年ナムスンだけがなぜ無傷で脱出できたのか、 借金まみれの…
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200w REVIEW '11 『ブリューゲルの動く絵』

朝、農家の妻が夫を起こし、その夫が下働きの農夫を起こす。 厳めしい崖の上に建つ“神の視線”たる風車は、 そうして風をはらみ、ぎしぎしと歯車を回転させ、穀物を挽く。 その動力の連動は、人の営みに連なる。 マイェフスキ監督は、大木を切り倒す音、 子供の嬌声、赤ん坊の泣き声、そして雷鳴の轟音と、 ブリューゲルのキャンバスの外から生…
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200w REVIEW '11 『ラブ・アゲイン』

キャルの初不倫の相手がロビーの担任教師だったのを皮切りに、 実に狭い世界だ。 父の様子をロビーは母にこう答える。 「着飾ってるけど、不幸せそう」。 この父にしてこの子あり、ロビーもまた「運命の伴侶」に一途だ。 キャルは息子に教えられる。叶わずとも追い続けることを。 初デートのアイスの味はエミリーも忘れていない。 父親譲りは…
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200w REVIEW '11 『風にそよぐ草』

開巻、女の足が暗示する強迫観念とフェティシズムは、 マルグリットの写真に募らせるジョルジュの妄念であり、 レネは彼女が水風呂に浮かぶまで、その表情を映さない。 刑事が犯罪歴を仄めかす“変人の目”をしたジョルジュが、 マルグリットの愛車のタイヤを切り裂き、 犯行声明にまで至る一方、 当のマルグリットも耳にまとわりつく電話越しの…
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200w REVIEW '11 『インモータルズ-神々の戦い-』

パステルカラーの神殿も金メッキされた兵士の鎧兜も、 骨太な質感とは程遠い薄っぺらさに失笑。 切り立った崖の村とタルタロスの要塞限定のような 偏狭なオリンポス観に挿入される、 ポセイドンの大津波をはじめとする 紙芝居同然のギリシャ神話の安っぽさに唖然。 「タイタン族の解放まで手を出すな」に背いた 息子アレスをあっさり切り捨て…
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200w REVIEW '11 『ラブ&ドラッグ』

突っ張って頑なさを貫くと、 いざというときに素直に甘えられない、 どう甘えればいいのか判らない。 「病気だから」の言い訳に自己憐憫が透けるマギーが、 “病人は自分だけじゃない”と瞼を熱くし、 初めて衒いなく「愛してる」と言えたとき、 ジェイミーにアルツハイマー患者と生きる 現実が突き付けられる。 「2度はご免だ。愛する人…
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200w REVIEW '11 『サルトルとボーヴォワール 哲学と愛』

サルトルとの“契約結婚”は ボーヴォワールに“実存主義の女王”の名声をもたらしたが、 肉体の歓びを与えたのはオルグレンだ。 モダンジャズに乗せて、 彼らの戦前・戦後を駆け抜けるようにさらりと描く映画は、 父に“醜悪で貧乏”と愛を撥ねつけられた彼女の強張った表情に、 サルトルとの関係では満たされない欲望を映す。 親に命じられ…
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200w REVIEW '11 『フェア・ゲーム』

“忍耐の限界点を知らない”ヴァレリーを 初の挫折から救うのは、他ならぬ家族だ。 絶望の最中でも、 子供たちの嬌声に冷静さを失わない夫妻に感服だが、 こうして彼らは公私のバランスを保ってきたのだろう。 リビー主席補佐官はCIA職員に 核製造の可能性を拷問さながら白か黒かで問い質すが、 それは政治の言葉遊びだ。 その曖昧さの…
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200w REVIEW '11 『ピザボーイ/史上最凶のご注文』

ファストフードとビールでやり過ごす退屈な時間が、 脂肪のように身体にまとわりつくミシガンの町で、 愛車を駆って30分でピザを届けるスリルだけが、 “昔のいじめっ子がゲイになった”ぐらいが周辺ニュースの ニックの日常の刺激だったのだろう。 爆弾騒動と銀行強盗は彼にケイトへの愛の告白を決意させるが、 そこに横槍を挟む双子の兄チェ…
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200w REVIEW '11 『一命』

美穂の出産を知り、 木漏れ日の森を狂喜乱舞で疾走する半四郎と求女を、 映画はリフレインする。 まさに夏真っ盛りのそのときが、 春を迎えることなくすべて息絶えた 彼らの幸福の絶頂だったのだろう。 美穂の父にしろ、千々岩の友にしろ、海老蔵は若すぎるが、 その青臭さこそが鈍刀を後生大事する半四郎の武士の愚かさだ。 求女の“狂言…
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200w REVIEW '11 『猿の惑星:創世記』

チャールズが赤ん坊のチンパージーを ジュリアス・シーザーから名付けたとき、 彼が未来の猿の皇帝となることを予言する。 新薬を投与した2つの生命を救うと言うジュリアンの闘いは、 音楽家として最後の輝きを取り戻した父は人間の尊厳を貫き、 息子同然のシーザーはその知性ゆえ自身のルーツを選び、 徒労に終わる。 別れは、ジュリアンが…
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200w REVIEW '11 『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

ダルタニアンが“傲慢”なのはいいが、 ガスコーニュ地方の田舎者らしい愛嬌と天衣無縫がなくば、 ひとりでロシュフールに立ち向かう彼の無謀に助太刀する三銃士も、 アンヌ王妃の窮地を救うコンスタンスの懇願も説得力を持たない。 冒険活劇の動機付けが軽すぎ、 存在に首を傾げるダ・ヴィンチの飛行船が見せ場のつもりの3Dも 高所での剣闘シ…
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200w REVIEW '11 『海と自転車と天橋立』

田中監督の即興映像にフリージャズは良く似あう。 古の風情を残す日本海沿岸を疾走する自転車の自由奔放さながら、 スサノオと牛頭天王の連想の飛躍をする田中はやはり“浪漫者”だ。 日本海を南北逆転させた視点は、 天橋立の“股覗き”に触発された遊び心だろうが、 健脚の手入れに怠りない鳴嶋会長の旅程が断片では臨場感に欠ける。 「海は私…
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200w REVIEW '11 『ステイ・フレンズ』

空港のベルトコンベアの上を 裸足で歓迎ボードを追うジェイミーの天衣無縫に、 ディランならずとも初対面から好感を抱く。 『プリティウーマン』がお気に入りのジェイミーと 三流ソープドラマを観ながらサントラに毒づくディランに苦笑だが、 立入禁止の高層ビルの屋上に忍び込み、 ハリウッドサインによじ登るふたりの突拍子もない悪ふざけが、…
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200w REVIEW '11 『カウボーイ&エイリアン』

ジェイクは彼に盗賊の足を洗わせた元娼婦の妻との愛を取り戻し、 ダラーハイドは暴君ではない、妻の死以前の町のリーダーに立ち帰る。 観る者もジェイク同様、 彼の記憶喪失の謎に手探りで迫る導入部こそスリリングだが、 エイリアンからエラを救出するジェイクが 宇宙船にしがみつき彼女と湖上を“飛ぶ”昂揚感も、 そのエラが異星人では興醒め…
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200w REVIEW '11 『50/50』

ジョギング中、車の気配のない交差点でも青信号を待つアダムが、 手術前夜、無免許で一方通行の車道を車で逆送する。 事故を恐れて車の免許を取らない程、 臆病だった慎重な彼の生命の皮肉に対する怒りだ。 しかし苦難に直面し見開かされた新たな視線が、 彼の未来に希望を指し示す。 過保護な母の、痴呆症の夫と会話さえままならい淋しさ、 …
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200w REVIEW '11 『モンスター上司』

“ピーナッツアレルギー”にのたうち回るボビーの生命を、 彼をターゲットと知らぬデールが助ける皮肉が倒錯的な笑いを誘うが、 その彼に2分の遅刻を嘘つき呼ばわりされ、 年代物のウィスキーを一気飲みさせられるニックは、 祖母の死に実感した「誇りを棄てないと出世できない」の教訓を 自ら選んで生きている。 カールのように男の本能に開き…
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200w REVIEW '11 『僕たちは世界を変えることができない』

“充ち足りているのに満たされない”。 甲太の不満は、“ギャル男”の本田も同じだ。 現代の普遍的な若者像を、 深作監督は機動性あるハンディキャメラで俳優たちとシンクロさせ、 無知ゆえに目の当たりにした カンボジアの現実にたじろぐ彼らの漣を余さず掬い取る。 芝山の無力、矢野の焦燥の一方で、 開校式での矢野の「青空」の悔恨には、…
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200w REVIEW '11 『ハラがコレなんで』

「OK!」。それは最悪の自分そっちのけで、 他人の助太刀を決意する光子の気合いの掛け声だ。 それが隣室に引越してきた女性に お手製のたくあんを押しつける他人迷惑の強引さでも。 ホームレスの境涯に涙し、 食事を奢る光子にとって“粋”の原体験は、 鍵のない扉を開け放ち、 隣近所の境を失くす大家の懐深さであり、 教科書を忘れた…
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200w REVIEW '11 『親愛なるきみへ』

「正直にすべてを話して」。 ジョンにそう告げたサヴァナが、ティムとの関係を秘する。 ティムの「サヴァナを酷い目にあわせたら足を折る」という宣言は、 彼自身の嫉妬の裏返しだったのだ。 同じ“母に家出された息子”としてアランを気遣うジョンは、 “気は優しくて力持ち”だ。 身体能力に優れた彼の孤独は戦場ではなく、 海からサヴァナ…
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200w REVIEW '11 『ウィンターズ・ボーン』

リーには、現代のスカーレット・オハラと言いたい 他人を寄せ付けない南部女性の強靭さがある。 極貧生活で肉を欲する弟に 「ねだっちゃ駄目」と言い放つ毅然とした誇りが、 彼女と堕落とを隔てる壁となるのだ。 しかし、ティアドロップに乱暴に髪を掴まれ、 地元の女たちに袋叩きにされて 「早く殺して」と開き直る彼女の瞳は、17歳の怯え…
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200w REVIEW '11 『カンパニー・メン』

「成功しているように見せなくては」。 落ちるところまで落ちて、 ボビーは“成功神話”の呪縛から解き放たれる。 それは愚痴ひとつ吐かない妻の献身と、 ゲームすら諦める息子の健気さゆえだ。 失業を恥じる妻に自殺を選んだフィルとは違い、 支援センターで元同僚たちと和気藹藹なボビーには、 シカゴでの面接日を間違えた絶望と焦りは深刻…
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