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200w REVIEW 『ルワンダの涙』

マリーと再会したジョーは、あのとき「死ぬのが怖かった」と述懐する。 親友フランソワが平然と殺し屋に変貌し、 生まれたばかりの赤ん坊の命は虫ケラ同然に奪われる。 見渡す限りに死体が転がる狂気の惨状で、死を恐れぬ人間などいない。 しかし、クリストファー神父は犠牲の人生を選ぶことで、 これまでのいかなる時よりも深い神の愛を知った。 …
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200w REVIEW 『Gガール/破壊的な彼女』

マットとハンナの恋物語に、いかにジェニーが狂言回し的に絡むかが スクリューボールコメディの醍醐味だが、 Gガールの比重が重すぎ、物語のバランスがいびつになった。 私生活を犠牲にしてまでニューヨーク壊滅の危機を救ったGガールの能力を奪い、 ジェニーを普通の女にしてしまおうというのもむごい話で笑えないし、 映像的にもハンナの部屋で…
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200w REVIEW 『エレクション』

ディーはあまりにも伝統を蔑ろにしすぎた。 黒社会の頭目同士の侃々諤々は、一杯のお茶をきっかけに瞬時にして静まり返り、 形勢逆転の後、伝統が買収に勝利を収める。 その最たる象徴が「竜頭棍」であり、 会の掟を叫び棍を守るダイタウの男気に対して、 ディーは裏切り者の幹部を詰めた箱を山頂から蹴飛ばし、 それを部下に取りに行かせて繰り…
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200w REVIEW 『夏物語』

ソギョンのナルシシズムが激動の時代に力なく沈む。 農村活動も遊び半分のモラトリアムの彼に青春の激情は希薄で、 スパイ罪の尋問でジョンインを裏切るのも頷ける頼りなさだ。 野外上映に続く図書館の火事が物語に拮抗せず、 学生紛争の中、ふたりは木偶人形と化してしまう。 悲劇を裏付けるための人間の脆弱にはうんざりだ。 イ・ビョンホンは…
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200w REVIEW 『華麗なる恋の舞台で』

女優を極めると、私生活は消滅するらしい。 ジュリアの耳元で他界した演劇コーチが囁く。「劇場こそが現実の世界」。 舞台を降りても、彼女は女優の仮面を被り、涙を流すことなど朝飯前。 年下の男との火遊びに生気を取り戻すも、たちまち嫉妬に駆られるジュリアは、 心血を注いだ演劇に裏切られたかに見えて、息子の「ママはいつも綺麗だよ」の言葉に…
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200w REVIEW 『マリー・アントワネット』

オーストリア皇女にしてフランス王妃というには、 あまりにもアメリカナイズされたマリーだ。 仮面舞踏会からヴェルサイユ宮に朝帰りするマリーは、 現代のパーティガールさながら、フェルゼンとの恋も火遊びの軽薄さだ。 それでも死の直前までルイ16世に寄り添ったのは、 彼の肖像画に一目惚れした14歳の初恋が貫かれたからこそとは 監督ソ…
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200w REVIEW 『エラゴン/遺志を継ぐ者』

それだけで1本の映画に成り得る舞台背景は タイトルバック同然にあっさりと切り捨て、 なぜ森の中に青い卵が瞬間移動したのかの理由をはじめ、 幾つもの謎を秘めた物語は、その真実の欠片を見え隠れさせつつ、 名より実を採った若手俳優のイキの良ささながら一気に100分で語りきる。 赤ちゃんドラゴンのディズニーアニメ風愛らしさに一瞬、辟易…
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200w REVIEW 『フリージア』

ゲーム開始を宣言するように、敵討ちの幕は切って落ちる。 血に飢えた溝口が殺人に執着するのは 職業意識でなく快楽ゆえであることからも、その本質は明白だ。 ヒロシは神出鬼没の“幽霊”を殺害する直前、彼から「痛みを知れ」と諭される。 彼らを相対させたのは他ならぬヒグチだ。 血まみれの銃撃戦の中に浮かぶ、シバザキの不器用な純情、 山…
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200w REVIEW 『シャーロットのおくりもの』

発育不全のウィルバーの命をファーンが助けた翌朝、 一家の食卓に並ぶ焼きベーコンのブラックユーモアに思わず苦笑。 シャーロットは、“雪を見たい”春生まれのウィルバーにこう言う。 「いつか生命が終わるときが来るのよ」。 彼女が死を賭して産み落とした赤ん坊クモが空高く舞い散ってゆくように、 ここには綿々と紡がれる生命の連鎖がある。 …
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200w REVIEW 『グアンタナモ、僕達が見た真実』

アフガニスタンを見てみたい、そんな軽い気持ちで5人は国境を越えたのだろう。 たしかに軽率だ。しかし祖国に帰還するまで、 拷問に近い尋問に耐え得たのは、彼らのその好奇心ゆえだろう。 当時を振り返って「いい経験だった」と明言する彼らの前向きな精神こそが、 28ヶ月に及ぶ屈辱の日々に打ち克たせたのだ。 米軍から突きつけられるテロリス…
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200w REVIEW 『ダーウィンの悪夢』

漁師はエイズで若死にし、娼婦は暴力で殺される。 親を亡くしたストリートキッズは虐待に脅え麻薬に逃避し、 食物連鎖を乱す突然異変による高級魚は、飢餓に苦しむ地元民を素通りし、 EUや東アジアに届けられ、武器弾薬が密輸される。 アラ捨て場の作業員は、劣悪な職場環境に身体を壊すが、 それでも仕事があるだけましだ。金が欲しければ兵士に…
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200w REVIEW 『映画館の恋』

冒頭のエピソードが映画中映画という展開に意表を衝かれる。 自殺さえ満足に遂げられないその主人公サンウォンを自分自身と重ねあわせるドンスは 度重なる深酒の失敗で、周囲の“嫌われ者”であることは本人も先刻承知だが、 友人の娘に巻いたマフラーを取りあげ、女優の醜聞を信じ込む彼の幼児性は ホン・サンスらしい皮相な男性像だ。 サンウォン…
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200w REVIEW 『ワサップ!』

ラリー・クラークは生来のドキュメンタリストだ。 身体全体でスケートボードに興じ、パンクロックのセッションを愉しむ 彼らの自然体の快活さは、しかし演技が始まるや途端にこわばり、 B級さながらのドタバタ劇に興醒めする。 サウスセントラルのラティーノは銃ではなく、非暴力の連帯で結束する。 「スケボーをしたいから」という至極単純な理由…
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200w REVIEW 『マジシャンズ』

ワンテイク・ワンカットの技巧は、タンゴの曲名さながら“疲れた”男と女のドラマに、 演劇的空間を思わせるライヴの緊迫感を注ぎ込む。 ジャウンが躍り出るモノクロームの森は彼らの思い出を秘かに留め、 幕間を繋ぐようなアルゼンチン・タンゴの音色が、自在に時制を行き来する。 3人の周囲をパントマイムで舞う幻のジャウンは、 歳月の重みに癒…
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200w REVIEW 『叫』

度重なる地震の轟音が吉岡の封印した過去を徐々に揺さぶる。 相次いで加害者の口を衝く「みんな無しにしたかった」の本質。 佐久間は息子の急変の理由が掴めず、 矢部は小野田が自分を見てくれなかったと述懐する。 赤いドレスの女に相対する吉岡は、意に図らずも春江との関係を清算する。 彼女が告げる「あなただけ許します」は、今に至る春江の本…
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200w REVIEW 『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』

いかに優れたDJだったかではなく、これは再生の道程。 自殺を決意して頭に巻いた花火を消そうと飛び込んだ プールに張られたシートに身体を捕らわれ、溺れかける。 そんな愚かな絶望の果てに、フランキーはようやく生きたいと欲するのだ。 読唇術は相手の目を見据えることだ。 嘘や偽りに満ちた多弁も、ひとたび瞼を閉じれば、そこは沈黙の世界だ…
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200w REVIEW 『ラッキーナンバー7』

なぜグッドキャットは2度もスレヴンの生命を救ったのか。 それは金髪にはしばみ色の瞳のヘンリーへの愛だ。 20年前の悲劇から幕を開ける思わせぶりな展開を先読みすれば、 空港の男がニックであることは予想がつく。 その後の辻褄を支えるのは、疑似父子を超えたふたりの謎めいた協調関係だ。 バスタオル一枚の姿でリンジーを虜にし、 初対面…
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200w REVIEW 『無花果の顔』

美術監督、木村威夫らしい門脇家の内観は、鈴木清順的非日常を彷彿させるように、 現実をシュールに見つめる監督、桃井の“作家性”は、 開巻のホンデュを囲む食卓での父と母の遣り取りで覚悟はできた。 しかし、物語はエピソードに終始し、 茶の間に無造作に寝かされた父の死体が母の愛情表現としても、 夫の火葬を拒否するヒステリーと、 結芽…
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200w REVIEW 『愛されるために、ここにいる』

ジャン=クロードの頑迷で直情径行な性格は、彼の忌み嫌う父親譲りだ。 執行官という職種が彼らの心を代々、疲弊させたのか。 永遠に続くようなアパートの螺旋階段は、彼のこの仕事への倦怠そのものだ。 そして、真に大切なものに対しても、 父子はカーテンの陰に身を潜め、眺めるだけだ。 たとえ父が物置に息子の優勝トロフィーを隠し置いても、 …
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200w REVIEW 『あるいは裏切りという名の犬』

エディの葬儀でドゥニが花を手向けた瞬間、 BRIのメンバーが背を向け、峻厳な心意気を示す。 しかし彼らもたちまち大勢に呑み込まれる。 すべてを失い、渦巻くどす黒い恨みを抱えたレオの復讐は さぞ凄絶かと思いきや、意外とあっけない。 エレーヌが夫に言い放つ「悪徳警官は尊敬される警官にはなれない」、 逆もまた真なりということだ。 …
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200w REVIEW 『とかげの可愛い嘘』

過酷な運命から逃れるように、自らを宇宙人の姫と夢想するアリ。 黄色いレインコートで武装した彼女の空想癖は、成長するにつれ増幅の一途だが、 ジョガンの前に現われては姿を消すのは、 彼の思いを悪戯に揺さぶるだけの自己満足だ。 アリを引き留めるため、靴紐を解いて椅子と縛るジョガンの純情の切なさの一方、 彼手作りの木彫りのとかげを見知…
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200w REVIEW 『みえない雲』

パニック映画にひけをとらない群衆シーンの凄絶な迫力。 心のどこかで厄介者扱いしていた生意気盛りの弟ウリーが、 車に跳ねられ、あっけなく命を落とす。 我が命のためなら他人などお構いなしの圧倒的なエゴイズムを前に、 若さの特権である無知の世界を快活に生きてきたハンナは打ちひしがれる。 しかし、疎遠だった叔母に甘え、弟を土に葬ること…
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200w REVIEW 『人生は、奇跡の詩』

娘たちとローマの動物園で乗ったラクダを戦場のイラクで見る。 国境を飄々と越えるベニーニといえども、 未だ記憶に鮮烈なイラク戦争を彼の世界に引っ張り込むのは無謀だ。 地雷原でステップを踏むアッティリオに笑えないし、 自死を選ぶフアドに感じるのは痛切な空しさだ。 ヴィットリアを甦らせたアッティリオのペンダントはチャップリン的だが、…
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200w REVIEW 『百万長者の初恋』

難病、出生の秘密、身分違いの恋と、 韓流ドラマのツボを惜しげもなく詰め込むわりに、 肝心の物語が描かれない。 高慢な遺産相続人ジェギョンに、まったく魅力を感じない。 両親の事故死で記憶を失くす心優しい子供が、 “遺産だけの男”に落ちぶれたご都合主義。 幼少時の思い出が今と結びつかず、彼がウナンのどこに魅かれたのかも 説得力…
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200w REVIEW 『ヘンダーソン夫人の贈り物』

あけっぴろげな性談義や、ボートを漕ぎプロペラ機で渡仏する 猪突猛進の行動力が、世間知らずの我がまま婆さん、 ヘンダーソン夫人を小気味良く銀幕に息づかせる。 事務棚の天辺で中国女の“仮装”のまま足をバタつかせる滑稽さも キュートな彼女の開放的で先入観に囚われない姿勢は、 持ち前の無邪気さと長年のインド暮らしゆえとしても、 レビ…
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200w REVIEW 『トゥモロー・ワールド』

路上でセオがコーヒーにウィスキーを注ごうとした瞬間、 直前までいたコーヒー店が、爆破テロに見舞われる。 その簡潔な映像と編集のリズムに作り手のセンスを感じる。 セオとジュリアンの卵の口移しや ジャスパーの自殺薬服用疑惑といった笑いをまぶしながら、 キャラクターのツボをたしかなドラマとして肉付けする一方、 緊迫感に満ちた12分…
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200w REVIEW 『ライアンを探せ!』

冒頭ではネズミと、クライマックスではコウモリと間違えられるリスのベニーや、 百獣の王サムソンの野生の本能ならぬ実はカメレオンの変身など、 笑いのくすぐりは散りばめられているものの、それらは小ネタにすぎない。 本筋であるはずの子供を捜す親の冒険は 『ファインディング・ニモ』の波乱万丈ほど胸躍るわけでもなく、 NYの街における動物…
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200w REVIEW 『Mr. ソクラテス』

非情なチンピラ、ドンヒョクは 「真剣に叱ってくれる」“先生”と出逢い、生を賭けて警官となり、 “感性で捜査する”シン班長と出逢い、人の信頼を体感する。 迷宮入り事件を矢継ぎ早に解決する荒業は、 彼に刑事の素質があったことの証明であり、 手錠をかけたヤクザの腕を線路に繋ぎ、告白を求めるスタイルは、 先生の立派な愛弟子ぶりだ。 …
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200w REVIEW 『エンロン/巨大企業はいかにして崩壊したのか?』

過剰な欲望は、その身を食い尽くし滅ぼしてしまう。 “傲慢と驕慢と強欲”に取り憑かれたエンロン幹部に 些かの人間的魅力を感じないのは、彼らは金しか誇れないからだ。 だから虚勢を振りまき、より多くの金を希求する。 人間性を失くしたトレーダーたちの会話の何という浅ましさ。 過激なダイエットで自己変革を成し遂げた強靭なジェフの意志の力…
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200w REVIEW 『敬愛なるベートーヴェン』

切り返しショットのパワフルさは、ホランド監督の独壇場だ。 森を抜け、病床のマエストロの許に向かうアンナの耳に大フーガが鳴り響くとき、 樹々や光といった自然のありようが、そこに谺する。 その音楽詩のような繊細な映像とは対照的に、 ベートーヴェンとアンナの関係は、かの「第九」に彼女が加筆したと大胆だが、 それゆえ頑迷なマエストロの…
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