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日 時 |
REVIEW 『オレンジと太陽』
偶然も二度重なると、それは運命になる。
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2012/05/20 15:58 |
200w REVIEW '12 『幸せへのキセキ』
ベンジャミンたちが街を出るとき、
車のバックミラーに映るのは想い出のカフェに座る在りし日の妻だ。
彼は妻の想い出に囚われ、もがくが、
それを“忘れる”必要はない。
「俺や妹を助けろ」とディランを叱責するベンジャミンだが、
それを言いたいのは息子の方だ。
リリーからの好意に素直に振る舞えないディランに必要なのは、
彼の母との出逢いに父が奮った“20秒の勇気”だ。
それさえ、彼は息子に教えていない。
心を閉ざしているのはベンジャミンだ。
ディランの暗い眼に妻を思い出すとベンジャミ...
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2012/05/18 00:12 |
REVIEW 『さあ帰ろう、ペダルをこいで』
バイ・ダンとアレックスがともに呼吸を合わせて
タンデム自転車を漕ぐその旅で、
ふたりは交通事故で喪ったアレックスの記憶を甦らせると同時に、
ブルガリアの戦後を横断する。
彼ら家族の生きざまが、そのまま祖国の歴史と重なる、
その壮大なテーマの中で描かれる
誰の心にも普遍的なルーツへの帰還という対比が絶妙だ。
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2012/05/17 01:14 |
200w REVIEW '12 『君への誓い』
「愛しすぎて気が狂いそうだ」。
結婚の歓びをそう呟いたレオは、
しかしペイジの幸福を願い、我が身を引く。
記憶が5年前のまま、今に生きるペイジの違和感は計り知れない。
見知らぬ他人と暮らす家は、ふたりの想い出が取り囲む。
レオに対しても「好きだから辛い」。
婚約者気分のまま接近したジェレミーからの再求婚を
「今の私は昔と違う」と拒絶するペイジの気性は厄介だが、
その潔癖が父の不倫を許さなかった。
それを切り札にしなかったレオの優しさ。
彫刻刀を握れば“身体が覚えている”ように...
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2012/05/15 00:54 |
200w REVIEW '12 『ミッシングID』
追手を振り切る暴走車から飛び降り、河を渡っても、
ギリーはネイサンとカレンに偽造IDを届け、
さらに寝台列車に乗り込み、CIAの車を奪って逃走しても、
やはりギリーはふたりにPNCパークの入場券を手渡す。
この距離感の不可解さ。
ネットに繋ぐや、たちまち居場所が判る監視下で、
いかにギリーに連絡したのか。
カレンが事も無げに伯父に電話する危機感の欠如にも唖然だ。
逃亡劇の緊張感と幼馴染みとの初恋物語のバランスが悪いのだ。
「信頼は勝ち得るもの」。
ケヴィンの横暴ともいえる特訓...
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2012/05/14 01:13 |
200w REVIEW '12 『一枚のめぐり逢い』
湖に係留されたままの
ベスの両親の形見のボートをローガンが修理するように、
兄の戦死で意気粗漏したベスの心も、
彼との出逢いで再びエンジンが掛かる。
「何が大事なの?」。
祖母の叱責に、ベスはベンを口実に避けてきた
キースと向きあう勇気を得るが、
いっそ戦場でのローガンを割愛し、
その存在をミステリアスにしたほうが、
男性性を奮い、息子に厳しく、
“権力を嵩に着た”キースにも深みが出たはずだ。
彼の“嫉妬”はあまりに愚かだ。
海兵隊出身の腕っぷしと大工仕事、
ピアノを弾...
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2012/05/13 21:19 |
REVIEW 『ル・アーヴルの靴みがき』
「男が家庭の中心だ」。そう言い切るリトル・ボブは、
しかし、喧嘩別れした妻がマルセルに導かれてバーに現れるや、
あっさり謝罪の言葉を述べ、よよと妻を抱きしめる。
一方のマルセルもまた、仕事帰りに行きつけのバーに立ち寄り、
オリーヴでウォッカを飲み干した後、
イヴェットから“ツケ”で貰ったパンを片手に、
我が家で待つアルレッティに、なけなしの稼ぎを手渡す。
雑貨屋のジャン=ピエールは、マルセルが姿を見せるや、
そそくさと店じまいをするように、
彼のツケはこの界隈では相当かさん...
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2012/05/12 23:37 |
200w REVIEW '12 『灼熱の肌』
全裸のアンジェルが銀幕の向こうに手招きした直後、
フレデリックの車が大樹に衝突し、大破する。
彼女がファムファタルなのは明白だ。
アンジェルはエリザベートに「彼に愛はない」と告白するが、
その真実は追究されず、
彼女はチネチッタでロランとの逢いびきに耽る。
妻を訴えると息巻くフレデリックの心は壊れたのか。
自分そっちのけでフレデリックに付きあう
不満を撒き散らすエリザベートを追いかけ、
“壊れかけた”関係を修復するポール。
ブルジョワ画家の倦怠と貧しい俳優の現実との対比は実感...
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2012/05/11 23:39 |
200w REVIEW '12 『愛の残像』
「スターじゃない、女優よ」。
ベッドでポーズを決めるL.スメットのクラシカルな美しさは、
60年代のエキゾティックなフランス女優を彷彿させるが、
携帯もなく、愛を文字に認める彼らに、現代感覚は皆無だ。
窓越しに佇む男を警官と疑うキャロルは、
その頃から狂気の影に怯えていたのか。
「狂った女を愛せる?」。
そうフランソワに問う彼女は「飽きたら言って」と予防線を張るが、
彼はただ逃げるだけだ。
鏡に映るフランソワに重なるキャロルは、
エヴの妊娠に恐れ、
彼女の実父曰く“繊細な女...
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2012/05/09 23:09 |
200w REVIEW '12 『モバイルハウスのつくりかた』
お手製のモバイルハウスに「すげぇ」を連発する坂口恭平は、
学習机を我が“城”に改造した少年時代の無邪気を留める。
たしかにそれは、子供の頃に憧れた“秘密基地”を彷彿させる。
そのノウハウを教示する船越が、
いつしか坂口同様、夢中になるのも、
誰の心にも眠る少年性を刺激されるからだ。
鈴木のモバイルハウス実践に参加した少年の
工具を持つ手のぎこちなさが、たちまち器用に転じるように、
愉しさこそが上達の近道だ。
ピザの宅配も届き「他に何が必要?」。
そんな彼の童心を「3.11」が...
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2012/05/08 21:24 |
200w REVIEW '12 『崖っぷちの男』
ルーズヴェルト・ホテルの壁際で続くニックの抵抗は、
動きの広がりに欠けるせいか、いささか単調だが、
ジョーイとアンジーのスパイアクションさながらの
ハイテクを駆使した宝石強盗劇から活気づき、
リディアとマイクを巻き込んだホテル室内での
NY市警側の混沌で加速度を増す。
2年間の牢獄生活で練りあげたニックの名誉挽回のシナリオが、
確信なきイングランダーのダイヤモンド強奪が軸とは無謀だが、
格差社会にあえぐニューヨーカーに後押しされ、
その最後のパズルを埋めるのが、反骨の浮浪者とい...
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2012/05/07 07:04 |
200w REVIEW '12 『ザ・マペッツ』
世の中に違和感を覚える人間が、
自分の居場所を探し当てた歓び。
70〜80年代の米ショウビズ界をシニカルに回顧しつつ、
オーソドックスな群舞のミュージカルナンバーは
カットの声でダンサーが倒れ込む
内幕もののオチで締め括る遊び心は、
人間とマペットが理屈なく共存する
この映画ならではのトボケた可笑しみであり、
それはLAからカンヌの海岸に乗り上げる
“地図の旅”の無邪気さも同様だ。
ゲイリーとウォルターが鏡に映る
マペットになったゲイリーと
人間になったウォルター役ジム・...
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2012/05/06 23:31 |
200w REVIEW '12 『ケイト・レディが完璧な理由』
「世の中は複雑だから」と多忙の言い訳をするケイトに、
義母は「自分で複雑にしているだけ」と言い放つ。
仕事の電話に家族の休暇さえ投げ打つケイトは
“完璧”を目指すあまり、その渦中に自ら飛び込んでいる。
「私たちは出来る」と夫を説いて仕事に邁進する彼女の、
仕事もこなし、子供たちの成長も見守りたいは、欲張りすぎだ。
ケイトにはジャックの好意よりリチャードとの愛を採る分別がある。
何かを諦める決意をしたとき、彼女が進むべき道は明らかだ。
エミリーにも“手作りのパイ”より母との雪だるま...
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2012/05/05 02:24 |
200w REVIEW '12 『かぞくのくに』
幾つもの声にならぬ言葉を呑み込む沈黙を、
長回しの映像は鋭敏に掬い取る。
夜更けに帰宅した息子を階段で待ちわびて文句を言う、
そんな不器用な愛しか示せない父は、
祖国への忠誠に抗えない。
「いつもそんなことしか話してくれないんですね」。
母も貯金箱の小銭を“祖国”に託し、息子の安全を祈るだけだ。
そんな中、ヤンの監視する車を蹴り、
急遽の帰国に「良くあること」と納得する
兄のタクシーに縋りつくリエを演じる
安藤の雄弁な身体性が、閉塞感に風穴を開ける。
「もし、はない」。そう...
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2012/05/04 05:12 |
200w REVIEW '12 『ワン・デイ〜23年のラブストーリー』
「7月15日」の23年間を積み重ねるアイディアこそ興味深いが、
観る者はその日に向かう彼らの感情を
断片的に垣間見るだけの冷ややかな傍観者にすぎない。
彼らは友達宣言をしたこの日にだけ再会するわけではなく、
結婚するに至ってはその必然性も見い出せず、
なぜかこの日にばかり劇的な事件が起きるご都合主義。
裕福だが愛を知らないデックスが人生の落伍者で、
垢抜けないが堅実なエマが夢を叶えるのも教訓めいてうんざりだが、
路地を抜けたエマの自転車がトラックに撥ねられる
唐突な悲劇のお膳立...
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2012/05/02 23:56 |
200w REVIEW '12 『それでも、愛してる』
ホテルのバスタブで首を吊ったウォルターは、
次いでバルコニーからの投身を試みる。
そうして、転生したような自身の本音を
ビーバーで声にする機知に富んだギブソンの妙演に、
ヘンリーならずとも愛着を寄せてしまう。
「父を嫌う父を嫌いな息子」。
ウォルターの父の“不幸な”死の原因も鬱病だったのか。
「みんな大丈夫」ではなく「一人じゃない」家族の感慨。
父子の共通点を辿るフォスターは家族の対立軸に踏み込まず、
ノラのタギングを部屋に飾ったポーターが
「過去はやり直せない」と、ビーバー...
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2012/05/01 14:09 |
200w REVIEW '12 『ぼくたちのムッシュ・ラザール』
バシールが代用教師となるのは、
新聞で読んだという女性教師の自殺に
妻の非業の死を重ね見ただろうか。
頭ごなしのバルザックではなく、
ジャック・ロンドンの良さをアリスに教えられたバシールは、
“彩りが足りない”教室で背中に魚の切り抜きを貼られる。
生徒の悪戯だ。
しかし、体育教師は言う。
「今の生徒は核廃棄物のようだ。触ると火傷する」。
ならば、生徒が大きく腕を広げたとき、誰が彼らを抱擁するのか。
「自殺という暴力は罰せられない」という生徒の素直な実感。
自殺の遠因となった...
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2012/04/29 22:57 |
200w REVIEW '12 『裏切りのサーカス』
「嫌な事実なら知らせないで。思い出が汚れるから」。
コニーはジョージにそう告げるが、
印象的にリフレインされる冷戦時代の新年の祝祭こそが、
彼ら英国諜報員たちの最期の至福の時だったのだ。
無表情で澱みの川を泳ぐジョージを
淡々と映し撮るキャメラの傍観さながら、
映画の闇を観客の想像力に委ねるアルフレッドソン監督は、
温かさの欠片もない冷徹なブダペストの路上に倒れたジムの、
はみ出し者の男子生徒への異端の情を経て、
雨中でのビルとの“愛の訣別”に、らしさを刻印する。
妻への愛と...
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2012/04/28 23:33 |
200w REVIEW '12 『恋と愛の測り方』
マイケルの胸に疼く浮気心を看破するジョアンナは、
眠れぬ夜、彼手作りの卵料理を一緒に食べる。
その後の24時間の別離を嘘で埋めるふたりは、
マイケルはローラとの肉体関係の、
ジョアンナはアレックスとの接吻と添い寝の後悔とともに、
「何の問題もない」夫婦生活に立ち返る。
どちらの罪が重いかではない。
アレックスとの再会で、なお夫への疑心暗鬼に逡巡する
ジョアンナの優柔不断はもどかしいが、
たとえ衣裳選びに心浮き立たせても、
アレックスは彼女の見果てぬ“作家”の野心を刺激する存在...
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2012/04/23 01:48 |
200w REVIEW '12 『BLACK & WHITE/ブラック&ホワイト』
天井がプール張りのFDRのアパートが
思わせぶりの羊頭狗肉さながら、
香港の高層ビルでのスタイリッシュなアクションは、
FDRとタックの子供じみたドタバタ騒動の冷笑に取って代わられる。
存在感が稀薄のカールに
スリルを引っ張るピカレスクは望むべくもなく、
そもそも見栄を張った昔の恋人に寿司屋のカウンターで鉢合わせする
“男運”の悪いローレンがなぜ突然、2人の男に追い回されるのか。
ローレンが洗面所に立った隙の
レストランでの大乱闘は『デイ&ナイト』を、
身体を張って奮闘するタ...
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2012/04/21 20:06 |