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200w REVIEW '10 『大韓民国1%』

チーム対抗の遠泳で、 一致団結してライヴァルに一矢報いる 落ちこぼれたちの昂揚感は青春スポーツ映画さながらだが、 銃弾紛失をめぐってチーム解散に対する ユミの無言の抗議のランニングに、 「あれほど愉しいことはなかった」と部下が合流するのは強引ながら、 彼らの隣には真の敵が現存する事実。 ユミへの嫉妬ゆえのジョンパルの執拗な…
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200w REVIEW '10 『サラエボ、希望の街角』

ルナは鏡に映る自分の顔、そして腹部に携帯キャメラのレンズを向ける。 自らの裡の空虚を見据えるように。 内戦で痛めつけられた彼らの心は、 先進メディアのようにやすやすとアップデイトされるはずもない。 アマルがイスラム原理主義に傾倒するのは、 酒では紛れないその傷を忘れるためだ。 かつてルナの両親が惨殺された生家に暮らす少女は、…
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200w REVIEW '10 『ソウル・キッチン』

冷凍食品を堂々と供し、それに満足する常連客たち。 そんな怖いもの知らずのジノスの予定調和に、 ぎっくり腰は“苦悩”の時を与える。 しかし彼に自虐がまとわりつかないのは、好きなことに正直だからだ。 触れられない欲求不満が募る少年のようなジノスの天真爛漫が、 結果的にナディーンから資金を引き出す。 ギャンブル狂のイリアスも然り、…
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200w REVIEW '10 『アンストッパブル』

コンピュータに制御不能な暴走列車に抗えるのは人間の底力だけだ。 愚直なまでに職務に忠実なフランクのヴェテランの勘と、 別居中の妻子へのウィルの愛が、 緊急事態に世代交代の拘りを忘れて団結する。 これぞ米国的ヒロイズムだ。 ダイナーの女給相手に油を売るネッドの、 列車に併走させたトラックのプロの気迫も同様に胸揺さぶる。 T.…
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200w REVIEW '10 『再生の朝に』

冬枯れの凍りついた光景のように、 彼らは自身の感情を押し殺して生きている。 ティエンは怨恨の疑いもある娘の事故死に 怒りをたぎらす術を持たず、 妻は無表情のまま犬が指を舐めるに任せる。 刑務所で仲間とも言葉も交さずハンストする チー・ウーの抵抗は、徒労の虚しさだ。 映画は、そんな彼らの閉塞感に満ちた沈鬱を、 長回しのロン…
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200w REVIEW '10 『ソーシャル・ネットワーク』

マークはコンプレックスの塊だ。 ハーヴァードの男子学生を射止める野心満々な 女たちの乱痴気騒ぎの壁一つ隔てて、彼はPCに向かう。 エリカから「オタクだからじゃない、性格が悪いからモテないの」と 言い放たれたマークの心には、つねに彼女が棲み着いている。 彼がネットワークに拘るのはエリカに一目置かれたい一心であり、 人一倍の自己…
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200w REVIEW '10 『デュー・デート』

イーサンの傍若無人に、ピーターの短気が火に油を注ぐ。 彼らは我が身をトラブルに陥れることにかけては絶妙のコンビだ。 ピーターに置き去りにされ、 “ブス犬”のサニーさながらの哀愁に満ちた表情で 同情を誘うイーサンの亡き父への想い出と、 大陸を独りで横断したくないからピーターの財布を隠したという感傷を、 映画はコーヒー缶に収めた…
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200w REVIEW '10 『台北の朝、僕は恋をする』

フェイへのフランス語交じりの携帯メッセージに愛敬がにじむカイの、 しかし将来へのふらふらとした物腰が、 映画の緊張感の無さを象徴するようだ。 黙々と厨房に立つ父をやり過ごし、 留学が別れの口実のフェイの本音にも思い至らないカイは、 スージーが注ぐ視線に我関せずだ。 その一方通行のロマンスに、私の心は弾まない。 根拠のない自…
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200w REVIEW '10 『トロン:レガシー』

ノスタルジーに好奇心をそそられた 30年後の映像テクノロジーの驚きは束の間だ。 オリジナルを継承したトロンスーツの光の流線型と、 それがバイクや飛行機のデザインに転じる美しさは 闇でこそ際立つが、3Dの視覚的には疲労困憊。 光の円盤で敵を粉砕する戦闘シーンの斬新さに目を奪われるものの、 その後のレースと兵士たちとのチェイスの…
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200w REVIEW '10 『シュレック フォーエバー』

育児と観光ツアーの“見世物”に落ちぶれたシュレックは、 牙を抜かれた“怪物”だが、 そんな冴えない日常の繰り返しにうんざりするのは、 大人になれない子供の悩みそのものだ。 現在の幸福に気づかず、“悪魔と取引”して取り戻した 自由への瞬時の後悔の物語は手垢まみれだが、 王侯貴族気取りで 狼の執事に鬘を取り換えさせるランプルス…
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200w REVIEW 『キス&キル』

なぜ、スペンサーの命が狙われるのは、 誕生日の翌日からなのだろう。 笑顔の下に“賞金”への野心を隠し持つ親友や隣人、 同僚たちはすべて彼の敵とはいえ、 そもそもスペンサーを殺す機会はいくらでもあったろうに、 その3年の歳月の必然性が判らない。 ドタバタ喜劇の間抜けぶりと ハードなアクションの残酷さのミスマッチ感は拭えぬまま…
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200w REVIEW '10 『きみがくれた未来』

息を吹き返した瞬間、 チャーリーは隣に横たわるサムの魂を受け継いだかのようだ。 しかし、それをフロリオのロザリオに託すだけでは、 スピリチュアルな奇跡を納得させる説得力に欠ける。 「僕を離さないで」。夕闇での弟とのキャッチボールの約束を守るチャーリーは、 墓石の前で戦死した旧友と再会を果たすような、 文字通り死者の番人になっ…
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200w REVIEW '10 『人生万歳!』

IQ200の自称“天才”が「人生は無意味」とうそぶく虚しさ。 しかし、それは“不安症”のアレンらしい逆説だ。 癇癪持ちの皮肉屋が思いがけず愛にめぐり逢う。 マリオンはボリスの毒舌を理解できないからこそ受け流し、 主導権のペースを奪う立場逆転の可笑しさ。 初老の男の降って湧いた 「ピグマリオン」さながらのお伽噺にも“絶対”はな…
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200w REVIEW '10 『キック・アス』

「正義の味方は幻想だが、悪人は現実だ」。 たしかにそうだ。 しかし、安っぽくダブついた緑色のスーツを 不格好に着たデイヴが心を昂揚させても、 本質は女教師との猥褻な夢想に耽るダメ高校生のままだ。 そんな彼が、銃やナイフが飛び交う “不道徳”な日常会話のビッグ・ダディとヒット・ガールの 颯爽とした登場まで“痛みに耐える”抵抗…
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200w REVIEW '10 『アメリア 永遠の翼』

アメリアは人生を生き急いだかのようだ。 それが、女性が夢に邁進するのが困難だった時代の原動力だったにせよ、 映画も彼女の猪突猛進な勢いに任せた、 味わいに欠ける通り一遍の印象だ。 “男尊女卑”なパットナムとの初対面に、 ふたりのスクリューボール喜劇のような丁々発止が弾けず、 「ダメなら離婚」で始まった結婚生活も、 アメリア…
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200w REVIEW '10 『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』

ミミとジュリアは主導権を争うようにジョンに接するが、 それは産みの親と育ての親に運命を分けた姉妹のエゴだ。 夫の死にも崩折れないミミは英国らしい頑迷さであり、 長年の空白を埋めるような デートさながらのジュリアのジョンへの近親相姦的なスキンシップは、 私には居心地が悪い。 裡に巣食う後ろ暗さを取り繕うように、 バンジョーを…
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200w REVIEW '10 『信さん・炭坑町のセレナーデ』

誰もが貧しかった時代、 草野球は子供たちを世の苦しみから解き放つ。 殴られても蹴られても、美智代への憧れと、 美代への兄心が、信一の心を支えた。 妹を学校へ通わせるための労苦を厭わない彼は、 美しさのみならず、彼を背後から抱きしめた美智代の包容力に、 縁の無かった母性を感じ、甘えるのだろう。 そんなふたりを守や美代が嫌悪す…
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200w REVIEW '10 『ストーン』

癇癪を噛み潰すようにジャックが蜂の羽音を窓枠で押し殺して以来、 夫婦は互いを偽った長く緩慢な崩壊を歩む。 マデリンを引き留めるために、赤ん坊を窓から突き出す彼は、 自身の欲望を満たすためには躊躇しない。 執拗にジャックに仮釈放を迫るストーンが 宗教に縋るのは魂の支えを求めているからであり、 頑迷な家父長的な宗教観に縛り付けら…
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200w REVIEW '10 『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』

「アルコール依存症は自業自得」。 容赦ないそんな現実に漂う安行の優しさが虚しい。 「親父みたいになっちゃった」。後悔が彼の酒量に拍車をかける。 自暴自棄の酒浸りの日々から、“生きているのが不思議”な状態で ようやく生きると決意して直面する死の皮肉。 昏倒から目覚めた安行が俯瞰で仰ぎ見る妻や子供たちの顔は、 棺桶からの視線のよ…
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200w REVIEW '10 『白いリボン』

納屋の片隅で農夫が縊死し、首を端折られた鳥が十字架に縛られる。 悪魔に魅入られるがごとく、時代を不穏な空気が呑み込む。 棺を馬車に乗せ、葬列が続く。 ワンカットの長回しが、それを観る者の肌にじわり沁み入らせる。 闇に輝く納屋の火の峻烈な美しさ。 厳格な宗教観に支配された家父長制の村で、 従順の証を腕に印ながら反抗の芽はしたた…
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200w REVIEW '10 『ティーンエイジ・パパラッチ』

セレブの写真一枚で、13歳には高額の“お小遣い”を稼ぐのは、 覗き趣味の読者がいるからだ。 携帯キャメラの普及は、ガーランド&ミネリ母娘が象徴する ハリウッド黄金時代の嘘を暴くどころか、 私生活を切り売りしてこそ有名人となる時代を生み、 グレニアー監督自身がキャメラを向けて初めて味わうスリルは、 セレブが興奮を愉しむ消耗品に…
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200w REVIEW '10 『遠距離恋愛 彼女の決断』

目前の幸福に肩肘張らずに向きあう自然体が心地良い。 ギャレットがシスコに来れば、エリンもNYへ。 ハイシーズン時の欲求不満は、ネットと電話でその解消を探る。 エリンは“立て直した”夢を彼のために諦めず、 ギャレットは彼女によって仕事の不満を直視する。 その妥協点がLAという、気の置けない悪友とのバカ騒ぎより、 エリンとの時間…
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200w REVIEW '10 『ばかもの』

酒場で酔って絡み、同僚に臭いと陰口を叩かれても、 秀成からはどん底に落ちた男の切実さが迫らない。 額子も、年下男に不機嫌に振る舞おうと、 左手を失い銀髪に変貌しようと、ポーズだけの空疎さで、 手酷く捨てた秀成を生涯忘れ得ぬ存在にしたいという情欲が稀薄だから、 ラヴシーンも官能とは程遠い段取り芝居だ。 秀成の10年に、結婚に憧…
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200w REVIEW '10 『わたしの可愛い人―シェリ』

19歳で女遊びに“飽きた”シェリは、 “孤児のような”ココットの息子として、 無意識的に母性を求めていたのだろう。 レアがマダム・プルーに相対し 「同じレベルに落ちそう」と自己嫌悪に陥るのは、 どちらがシェリに影響力を行使できるかの 主導権争いに忘我している自覚の表われだ。 シェリに「母が2人いる」と言い放たれたレアは、 …
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200w REVIEW '10 『ハーブ&ドロシー』

“払える金額でアパートに置ける大きさ”の美術コレクションは、 本来ならばヴォーゲル夫妻のマンハッタンの一部屋では 収納できぬ程の膨大さだ。 勤めながら美術を学び、足繁くアトリエに赴き、 “生きるようにコレクションした”彼らの“目利き”に 嫉妬する者も少なくないだろう。 利益を考慮せず、アートの制作過程に執着し、作家の変化を見…
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200w REVIEW '10 『乱暴と待機』

手を伸ばせば触れられる二段ベッドの上下で、 互いの言葉を裏読みする迷宮に嵌った山根と奈々瀬は、 ありえない嘘と言い訳しつつ、本音を漏らす。 「あずさに優しくして」。 あずさは、奈々瀬と万丈の関係が脳裏を過ぎったから “ゲーム人生”で万上にいちゃついたのか、 奈々瀬は絡みあう足に落ちた山根の眼鏡に無自覚だったのか。 観る者も…
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200w REVIEW '10 『パートナーズ』

日給6千円余の肉体労働からの脱却という“不純な動機”で、 “食いっぱぐれ”のない盲導犬訓練士になった剛が、 かつての仲間から“ワーキングプアから抜け出した”と 嫌味を言われるのは、金銭面のみならず、 将来の“貧乏人か障害者か”の不安から 解放された心の豊かさゆえだ。 犬を「好きでもなく嫌いでもない」剛がチエを通して、 技術…
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200w REVIEW '10 『エクスペンダブルズ』

ツールの「ボスニアの橋の上の女を助けていれば、 魂が救われたかも」の述懐に刺激されてか、 逃亡ではなく祖国に留まる道を選んだサンドラの 孤独な“闘い”にバーニーが共鳴したのは、 敗色濃厚でも手放さない生きる信念であり、 それは現代社会へのスタローンのアンチテーゼだ。 そんな彼に無言で従う、“消耗品”を自認する時代遅れの男たち…
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200w REVIEW '10 『隠された日記/母たち、娘たち』

腿に伝わる出血に流産の危機を体感して 初めて母性を意識するオドレイに寄り添うのは、 顔を見合せばいがみあうばかりのマルティーヌだ。 その母の頼もしさ。 玩具の洗濯機に幼時の記憶を甦らせたオドレイは、 その台所で日記の中の祖母と時を共有する。 ルイーズの自由の希求は、 仕事に縛られたオドレイの煩悶そのものだ。 「お前には自…
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200w REVIEW '10 『脇役物語』

“人間違い”される脇役俳優の醍醐味に誇りを感じないヒロシの、 作家の父へのコンプレックスと僻み根性に苛立つ。 稀代の脇役を揃えた作り手たちが軽視しているはずあるまいに、 私情で撮影現場から逃亡なんてありえない。 やたらNY志向のアヤの自意識過剰にも閉口だ。 果たして、車内張りポスターに顔が載るヒロシが脇役なのか、 それは彼の…
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