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タイトル 日 時
200w REVIEW '17 『歓びのトスカーナ』
カーニヴァルの翌朝のように、 安らぎは狂騒の後、訪れる。 ベアトリーチェの“余計なお世話”は、 閉鎖的な病院に息が継げないからだ。 胸に渦巻く感情が虚言のような饒舌を生む彼女は、 病院からの逃亡を「楽しんでいるの」と笑いのめす。 ドナテッラの狂気は孤独だ。 両親との関係はいびつなまま、息子も奪われた。 「私は生まれてからずっと淋しかった」。 ベアトリーチェの過剰とドナテッラの空白が、 トスカーナの海辺で補完する。 「私たちは何を探してるの?」「幸せを少し」。 名乗らずとも... ...続きを見る

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2017/05/26 23:51
REVIEW 『人生フルーツ』
REVIEW 『人生フルーツ』 「旦那が良ければ、回り回って妻も良くなる」。戦前、老舗の造り酒屋の一人娘としてこう教育を受けて育った英子が、初対面のときの修一の印象を今でも覚えているのは、英子にとって修一は忘れがたい初恋の相手だったのだろう。ボート部の主将で草履履きという彼の気取りのなさは、終生変わらない。その修一も、著作の出版記念サイン会のため訪れた台湾で、地元のメディアに問われて、こう応える。「彼女は最高のガールフレンドだ」 ...続きを見る

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2017/05/23 22:52
200w REVIEW '17 『コンビニウォーズ〜バイトJK VS ミニナチ軍団〜』
「くだらなくない?」「超くだらない!」。 『Mr.タスク』のスピンオフは『クラークス』の女子高生版かと思いきや、 睡眠装置から目覚めたウィンナーサイズのナチの反乱にヨガで対抗とは、 “くだらない”を通り越して脱力の限界だ。 Wコリーンズのガールズバンドは活きが良いだけのPV感覚で、 彼女らの演技もスマートフォン片手のコンビニ勤務さながら 薄ら笑いを浮かべるだけの遊び半分の熱の無さだ。 電子レンジでのミニナチの破裂は醜悪の極み。 ネットで物真似を覚えたアーケインの、 芸術家に“成... ...続きを見る

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2017/05/18 22:18
200w REVIEW '17 『ドッグ・イート・ドッグ』
シュレイダーも“軽く”なった。 それは銃社会である現代米国の生命の酷薄さだ。 平凡な家庭の寝室にライフルが置かれ、 老牧師夫妻の愛車に銃が隠されている。 しかし、それは我が身を守るどころか、 何の縁もない他者を不意の死に巻き込む凶器でしかない。 銃の乱射に躊躇ないマッド・ドッグは額に銃口を向けられ、 涙ながらに命乞いする。 「一度、刑務所に入ると抜け出せない」と開き直るトロイは、 否応なしに銃の力で“デカいヤマ”に当たる。 それは麻薬で常軌を逸した犯罪者ばかりではない。 自... ...続きを見る

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2017/05/17 00:26
200w REVIEW '17 『サクロモンテの丘〜ロマの洞窟フラメンコ』
踊りたくて踊り、弾きたくて弾く。 彼らのフラメンコは“本能”だ。 「寝食を忘れて踊る」。 飢えと貧困の時代、男は家業を継がず踊り、女は歌で稼いだ。 それが彼らの生きる糧となる。 「5歳になれば愛嬌」の子供たちに踊りは「教えない」。 “見て学ぶ”のが「学校」だ。 だから少年でも見様見真似で女のフラメンコが踊れる。 「あの頃の洞窟は聖堂だった」。 ロマと非ロマが混在するこの土地に差別はなく、 フランコ政権下でさえ自由奔放に花開いた文化は 63年の水害で洞窟から引き離され、衰退の... ...続きを見る

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2017/05/16 22:48
200w REVIEW '17 『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
ピンク色の風船はエンツォが失くした希望の象徴だ。 「友達なんかいらない」。 はした金のために盗みを繰り返し、 「助けるより“売り渡す”」エンツォは、ヨーグルトとAVだけが楽しみで、 ヒーローからは程遠い。 アレッシアがジーグに夢中なのは、 “穢れた”彼女の無私への憧れだ。 トレヴェ川の放射能廃棄物で変容したジーグが腕力で観覧車を回し、 「雲がいっぱい」とアレッシアがローマの街を見下ろすとき、 二人は無垢だった自分自身を取り戻す。 主題歌は歌う。「少年の心で恐れを知らず闘い続け... ...続きを見る

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2017/05/13 02:14
REVIEW 『こころに剣士を』
REVIEW 『こころに剣士を』 忘れたい過去でも、身体は覚えている。ロッカーに置き去りにされたような古びたサーベルを半ば自嘲気味に握ったエンデルが、習い性のように構えの姿勢を取るうちに、いつしか彼の身体は熱を帯び、我を忘れてその反復行為に没頭する。それはこれまでエンデルがいかにフェンシングに人生を賭けて取り組んできたかの証だ。汗だくのそんなエンデルを、少女の無垢な瞳で見つめていたマルタからの一言で、彼の“逃げ”の日々は一変する。「私にも教えて」 ...続きを見る

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2017/05/11 19:36
REVIEW 『午後8時の訪問者』
REVIEW 『午後8時の訪問者』 誰しも心に“魔が差す”ときがある。若き女医ジェニーにとってそれは、診察時間をとうに過ぎた夜8時、診療所の玄関ベルを押した女性訪問者を、扉を開けることなくやり過ごしたその瞬間だ。 ...続きを見る

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2017/05/08 23:17
200w REVIEW '17 『ビニー/信じる男』
「諦めるのが簡単なのが怖い」。 ビニーの不屈の魂は、 イタリアンファミリーのほとばしる愛が育んだに違いない。 しかし、彼の尻を叩き続け、 無断で息子に階級を変えさせたケヴィンに嫉妬する当の父親は、 ビニーが事故に遭って、気勢が削がれる。 かけがえのない息子を失う恐怖に脅えるのだ。 “Father and Son Gym”のボス、ケヴィンにも かつては家庭の温もりがあった。 彼は“猪突猛進”のケヴィンにプロボクサーとして進むべき道を指し示し、 リハビリの共犯関係を結ぶ、第二の父... ...続きを見る

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2017/05/06 22:42
200w REVIEW '17 『The NET 網に囚われた男』 Part.2
ソウルの繁栄に目を丸くするチョルも、 ヤクザの袋叩きから助けた娼婦の身の上に、 幸福と経済成長は比例しないと悟る。 ショウウィンドウの贅沢品は、人間性と引き換えの虚栄の象徴とはいえ、 チョルに届けられた“土産物”を祖国に持ち込むには、 娘のための喋るテディベアでさえ命がけだ。 「何が本当で、何が嘘か」。 “南朝鮮”でも“北韓”でも、政府の思惑通りの供述書なくして、 彼は囚われの身だ。 体内に隠したドル札を取調官の“賄賂”に、 待望の再会を果たした妻にチョルがよそよそしいのは、... ...続きを見る

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2017/05/05 06:45
200w REVIEW '17 『The NET 網に囚われた男』
「あなたは夜明け前が一番格好良い」。 漁に出るチョルはこう囁く妻を掻き抱き、 傍では幼い娘が安らかな寝息を立てている。 貧しくともささやかな幸福を育む一家ながら、 鴨居の上に飾られているのは金親子の肖像画だ。 「俺は思想よりも家族」。 そう断言したところで、彼らはこの国家から逃れられない。 ソウルの繁華街を“目を閉じて見ない”チョルは、 同様に祖国の現状にも瞳を瞑っているのだ。 思いがけぬ“逃亡劇”の果てに、 自ら姿を現したチョルの“訛り”にジヌは祖父を想起する。 たしかに... ...続きを見る

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2017/05/05 01:06
200w REVIEW '16『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス空白の5年間』Part2
マイルスの視線の先には “Someday My Prince Will Come”のジャケットに映る フランシスがつねにちらつく。 しかし、歌手としての成功を断念し、 マイルスの懇願のまま家庭に収まった彼女が 夫の愛人や薬物問題に巻き込まれては、離別はやむ無しだ。 当時のスターミュージシャンの多くは、 妻に内助の功に徹することを強要するが、 それが必ずしも家庭円満に結びつかないのは、 当時の男尊女卑な価値観ゆえだろう。 妻に母の面影を追うのは夫のエゴだ。 それゆえ女性を信頼... ...続きを見る

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2017/05/04 18:42
200w REVIEW '17 『ヒトラーへの285枚の葉書』
「あなたと戦争、そして総統のせいで息子は死んだ」。 こうオットーに言い放ったアンナは、 夫が息子ゆかりの木片に刻んだ愛息の頭像に触れ、 その無念を共有する。 工場で“不献身”だと迫る工員たちに、オットーは激怒する。 「息子は戦死した。それ以上の“寄付”があるか」。 かくも非情な時代、夫婦だけが連帯の同志と成り得る。 メッセージカードはささやかだが、狂気じみた抵抗だ。 ペレーズは淡々と積み重ねた時を破る夾雑音に、 ナチスの愚行を強調するが、 秘密警察の命令にエッシャリヒが無実の... ...続きを見る

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2017/05/01 00:37

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