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INTERVIEW 「アフタンディル・マハラゼ 『懺悔』」
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作成日時 : 2009/01/15 01:17
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ペレストロイカ最中の80年代半ば、
旧ソ連グルジア共和国で製作された『懺悔』は、
スターリン時代の大粛清を想起させる衝撃作で、
ソ連全土で大きな社会的反響を巻き起こした。
それから20余年、
日本初公開となるこの“幻の作品”で、
主人公とその息子の2役に挑んだ
アフタンディル・マハラゼに当時の話を伺った。
元市長ヴァルラムの葬儀から始まる物語は、
その夜から彼の遺体が3度、掘り起こされるという
思いがけない展開を見せる。
それは、ヴァルラムと因縁深い女性ケテヴァンの、
かつての独裁者の蛮行への糾弾行為だった。
この『懺悔』で、ヴァルラムと彼の息子アベルの2役を演じたアフタンディル・マハラゼは、
「これは私の俳優人生において最も重要な作品です」
と訥々と当時を振り返る。
監督は、グルジア映画界の第一人者テンギズ・アブラゼ。
強烈な風刺と幻想的な映像美を駆使した変幻自在な語り口に
巨匠の本領を発揮するも、94年に70歳の生涯を閉じた。
「実は当初、テンギズからはアベル役を依頼されたんです。
でも、私は脚本を読んだときにヴァルラムを演じたいと熱望し、
その旨を彼に伝えると、思いがけないことに、
父子2役を演じて欲しいと言われたのです」
と笑う。
観る者誰もがヴァルラムをスターリンと重ね合わせるだろうが、
口髭はヒットラー、服装はムッソリーニ、眼鏡はスターリンの忠実な部下ラブレンチ・ベリアと、
そこにはさまざまな独裁者像が投影されている。
生前のアブラゼはこう語っている。
「ヴァルラムを普遍化する程、具体的に人物像が把握される」(プレスシートより引用)と。
マハラゼ自身も、
「ヴァルラムは独裁者の集合体です。
抽象化し普遍化することで、その人物の影響力が増すというわけです」
と監督の意図を認める。
その一方で、ヴァルラムの墓守が「酒のない人生は真っ平だ」と呟くように、
大らかなグルジア人気質が息づいているのも魅力だ。
「まさにそれがグルジア人です」
と苦笑しつつマハラゼは続ける。
「忘れてはならないのがキリスト教です。グルジア文化の重要な一部で、
ラストの老女の台詞“この道は教会まで続くのですか?”は流行語になりました。
つまり、この映画はグルジアそのものです」
奇しくも08年夏に内戦が勃発したグルジアの現状を顧みるとき、
この作品は色褪せるどころか、いっそう力強い普遍性を増す。
そんなマハラゼが微かに気色ばんだのは、
難役に挑んだその役作りを尋ねたときだ。
「演技とは、無意識から生まれるのです。
だから、私に言わせれば、役作りについて話す俳優は嘘つきです。
私がどのように演じたか、それは私がグルジア人だからです。
グルジア人が振る舞う通りに演じただけなのです」
その言葉に、激動の時代を演技することで生き抜いたグルジア人俳優の誇りを見た。
(社会新報 2009年1月14日号掲載)
●Avtandil Makharadze(写真右)
1943年7月16日、グルジアのバツーミ生まれ。
トビリシ演劇学校を卒業し、ショタ・ルスタヴェリ劇場で活動する。
本作『懺悔』(84)ではロシアのニカ賞、シカゴ国際映画祭の
最優秀男優賞を受賞するなど、国際的に評価される。
70年代からテレビにも出演し、
BBCのテレビ・シリーズ“Archangel”(05)ではスターリン役に挑んだ。
また、05年には旧知の仲だったという
グルジア出身監督ゲラ・バブルアニの初長編映画
『13ザメッティ』に主人公の父親役で出演した。
●DATE
『懺悔』
Repentance
1984年グルジア=ソ連映画
監督=テンギズ・アブラゼ
出演=アフタンディル・マハラゼ、ゼイナブ・ボツヴァゼ、ケテヴァン・アブラゼ
配給=ザジフィルムズ
2008年12月20日、岩波ホールほかにてロードショー
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